COBOL(コボル)言語のプログラム呼び出しとは

部品化されたプログラムをCOBOL言語内で連携させる際はCALL文を使用します。CALL文を使って呼び出されたプログラムは、一連の処理が終わった後、再び呼び出し元プログラムに処理を戻し処理を継続します。部品化するメリットは処理が独立しているため、プログラムの可読性や保守性が上がります。複雑なプログラムと感じる際はプログラムを分割することを検討いただくといいでしょう。では早速プログラムを作成してみましょう。

書き方
CALL "プログラム"　USING BY REFERENCE 変数名
                                        BY CONTENT 変数名

使用例：

呼び出し元PGM

呼び出し先PGM

このプログラムは呼び出し元PGMで呼び出し先PGMを呼び出します。その後、呼び出し先PGMでは”Hello Sub Program!”というメッセージを画面に出力しています。実際の動きを確認してみましょう。

実行結果：

1.「CALL」の間の空白や改行は、自由に設定できます。

2.「USING BY REFERENCE 変数名」とCALL文にパラメタを設定した
  場合、呼び出すプログラムと呼び出されるプログラムでデータ領域を
  共有することができます。

3.「USING BY CONTENT 変数名」とCALL文にパラメタを設定した場合、
   呼び出すプログラムと呼び出されるプログラムではデータが共有されな
   いため、プログラム間のデータの影響はありません。

4.呼び出すプログラムからパラメタを受け取る際には、LINKAGE
   SECTIONで、受け取るパラメタを指定します。

CALL文のパラメタ渡し順序と、手続き部見出しのパラメタ受け取りの記述順序は同じである必要があります。対応する項目名は異なっていても問題は起きませんが、実際にプログラムを見たときに内容を誤って認識してしまうなど問題につながる可能性がありますので、なるべく項目名も合わせる形で使うようにしましょう。

先ほどご紹介した通り部品化されたプログラムは単にプログラムを呼び出して使うだけでなく、データのやり取りをすることも一般的です。ここでは実際にデータ領域を共有するREFERENCEパラメタとデータ領域を共有しないCONTENTパラメタを使うことで実際にプログラム間でのデータのやり取りとそのパラメタの違いについて理解を深めましょう。

サンプルプログラム：

呼び出し元PGM

IDENTIFICATION       DIVISION.
PROGRAM-ID.        CALL_SAMPLE02.
ENVIRONMENT         DIVISION.
DATA           DIVISION.
WORKING-STORAGE       SECTION.
 01 PRM.
  03 WK-NUM  PIC 99 VALUE ZERO.
PROCEDURE DIVISION.
*> プログラムを呼び出し（値渡し）
 DISPLAY WK-NUM.
 CALL "CALL_SAMPLE02KO" USING BY CONTENT PRM.
 DISPLAY WK-NUM.
*> プログラムを呼び出し（参照渡し）
 DISPLAY WK-NUM.
 CALL "CALL_SAMPLE02KO" USING BY REFERENCE PRM.
 DISPLAY WK-NUM.
STOP RUN.

呼び出し先PGM

IDENTIFICATION       DIVISION.
PROGRAM-ID.        CALL_SAMPLE02KO.
ENVIRONMENT         DIVISION.
DATA           DIVISION.
WORKING-STORAGE       SECTION.
LINKAGE      SECTION.
 01 PRM.
  03 WK-NUM  PIC 99.
PROCEDURE DIVISION USING PRM.
 ADD 1 TO WK-NUM.
 EXIT.

このプログラムは呼び出し元PGMからPRMという変数名の情報を付加して呼び出し先PGMを呼び出しています。CONTENTパラメタの場合はデータ領域を共有していないため、呼び出し先PGMの計算結果は呼び出し元PGMには反映されません。REFERENCEパラメタの場合はデータ領域を共有しているため、呼び出し先PGMの計算結果が呼び出し元PGMにも反映されています。実際にプログラムを作成して動きを確認してみましょう。

実行結果：

今回はCOBOL言語のプログラム呼び出しについてご紹介しました。COBOL言語ではプログラム呼び出しも一般的に使われる機能になりますので、実際にご自身でプログラムを記述して機能を使えるようになりましょう。

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