COBOLのDBアクセスパターンを学ぼう!「ORDER BY」| 応用ガイド

COBOL(コボル)言語のDBの結果を指定した順番で取り出す「ORDER BY」とは?

応用-ORDERBY-イメージ

COBOL(コボル)言語のDBアクセス「ORDER BY」とは?

リレーショナル型のデータベースに対して、特定の順番でレコードを取り出す際には「ORDER BY」句を使用します。

SELECT文と共に利用され、デフォルトでは昇順(ASC)で並べ替えられますが、降順(DESC)を指定することも可能です。また複数のカラムを指定した並び替えも可能で、優先順位に応じた並べ替えをする際に利用します。COBOL(コボル)言語でもDBにアクセスする際によく利用する機能になりますので、しっかり使い方を身につけましょう。

書き方:

SELECT * FROM テーブル名 ORDER BY カラム名 ASC(DESC)

COBOL(コボル)言語のDBアクセス「ORDER BY」の処理構成

COBOL(コボル)言語でSQLを利用する際には、データベースに接続するなど共通の処理を実施しておく必要があります。どのようなSQLを使う場合にも必要になりますので、その使い方について理解しましょう。

[DB利用の基本的な処理構成]

1.ホスト変数の定義、2.共通領域の定義、3.データベース接続、4.データベースアクセス

各処理で実施する処理内容は以下の通りです。

1.ホスト変数の定義

COBOL、DB間のデータ連携は変数定義した項目を利用する必要があります。この変数を利用してDBから取得したデータをCOBOLで加工、編集して利用する使い方になります。

2.共通領域の定義

DBで発生したエラー情報を格納する領域です。DB利用で発生したエラーをもとにエラーハンドリングして利用します。直接の処理をここで定義することはありません。

3.データベース接続

DBにアクセスする際は、ユーザID、パスワードを利用して接続することになります。

この接続についてもプログラミングして定義しておきます。

4.データベースアクセス

1~3の準備が整った後、初めてSQL文を記述することができます。今回ご紹介する「ORDER BY」句はこの領域を利用してプログラミングしていきます。

1.ホスト変数の定義~3.データベース接続はSQLを利用する際は必ず必要になってきますので、一度サンプルを作成して他でも活用できるようにしておきましょう。

では基本的な処理構成について記述したサンプルプログラム(使用例1)を用意しましたので、その書き方について見ていきましょう。

使用例1:

※今回のDBMSは、オープンソースの「PostgreSQL」を使用しています。

※USERNAME、PASSWORDはご自身の環境に合わせて指定ください。(省略します)

応用-ORDERBYの対応プログラム1-使用例1

テーブル(test):
応用-ORDERBYの対応プログラム1-実行結果1

実行結果:
応用-ORDERBYの対応プログラム1-実行結果2

COBOL(コボル)言語のDBアクセス「ORDER BY」の応用的な使い方

DBアクセス及び「ORDER BY」句の基本的な処理構成と書き方についてご理解いただけたでしょうか?今度は、応用的な使い方について考えていきましょう。使用方法にも記載しましたが「ORDER BY」句は複数のカラムを指定したり、並び順を昇順や降順に指定したりすることができます。テーブルのデータ状態を把握しながらどういう指定でレコードが抽出されるか考えていただき、ORDER BY句の指定方法を学んでみましょう。

使用例2:

  1. IDENTIFICATION DIVISION.
  2. PROGRAM-ID. db_orderby_sample02.
  3. ENVIRONMENT DIVISION.
  4. DATA DIVISION.
  5. *****************************************************
  6. WORKING-STORAGE SECTION.
  7. * 1.ホスト変数の定義
  8. EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION END-EXEC.
  9. 01 DBNAME PIC X(32) VALUE "testdb".
  10. 01 USERNAME PIC X(32) VALUE "********".
  11. 01 PASSWORD PIC X(32) VALUE "********".
  12. 01 TID PIC X(4).
  13. 01 TNAME PIC X(10).
  14. 01 SW-AREA.
  15.  03 SW-NOTFOUND PIC X(01) VALUE SPACE.
  16. 01 CST-AREA.
  17.  03 CST-1X PIC X(01) VALUE "1".
  18.  03 CST-SQL-NF PIC S9(09) COMP-5 VALUE +100.
  19. EXEC SQL END DECLARE SECTION END-EXEC.
  20. *****************************************************
  21. * 2.共通領域の定義
  22. EXEC SQL INCLUDE SQLCA END-EXEC.
  23. *****************************************************
  24. PROCEDURE DIVISION.
  25. MAIN-RTN SECTION.
  26. * 3.データベース接続
  27. EXEC SQL
  28.  CONNECT :USERNAME IDENTIFIED BY :PASSWORD
  29.     USING :DBNAME
  30. END-EXEC.
  31. * 4.データベースアクセス
  32. *** DB カーソルオープン処理
  33.   PERFORM OPEN-RTN.
  34. *** DB FETCH処理
  35.   PERFORM FETCH-RTN UNTIL SW-NOTFOUND = CST-1X.
  36. *** DB カーソルクローズ処理
  37.   PERFORM CLOSE-RTN.
  38. STOP RUN.
  39. MAIN-EXIT.
  40. *****************************************************
  41. *** DB カーソルオープン処理
  42. OPEN-RTN SECTION.
  43.  EXEC SQL
  44.   DECLARE CSR01 CURSOR FOR
  45.   SELECT tid,tname
  46.   FROM test
  47.   ORDER BY tid DESC,tname ASC
  48. END-EXEC.
  49. EXEC SQL
  50.   OPEN CSR01
  51.   END-EXEC.
  52. OPEN-EXIT.
  53. *****************************************************
  54. *** DB FETCH処理
  55. FETCH-RTN SECTION.
  56.  EXEC SQL
  57.   FETCH CSR01
  58.   INTO :TID,:TNAME
  59.  END-EXEC.
  60. *
  61.  IF SQLCODE = CST-SQL-NF
  62.  THEN
  63.   MOVE CST-1X TO SW-NOTFOUND
  64.  ELSE
  65.   DISPLAY TID TNAME
  66.  END-IF.
  67.  FETCH-EXIT.
  68. *****************************************************
  69. *** DB カーソルクローズ処理
  70. CLOSE-RTN SECTION.
  71.  EXEC SQL
  72.   CLOSE CSR01
  73.  END-EXEC.
  74. CLOSE-EXIT.
  75. *****************************************************
  76. END PROGRAM db_orderby_sample02.

テーブル(test):
応用-ORDERBYの対応プログラム2-実行結果1

実行結果:
応用-ORDERBYの対応プログラム2-実行結果2

練習問題

最後に練習問題にチャレンジしてみましょう

問題) サンプルプログラムではSELECT文に対してキー項目tid='0001'やtid='0004'が先頭に来るような順番の並び替えが確認できました。では、tid=0002が先頭に来るような並び替えをしたい場合にSQL文をどのように変更すればいいでしょうか?

答え)

SELECT文にWHERE条件を指定します。具体的な例は「WHERE tid > '0001'」のような条件とORDER BY句を指定することでtid='0002'からデータを取得することができます。「WHERE」句の使い方は別の講座にて紹介していますので合わせて内容確認してみましょう。

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