COBOL言語の「PICTURE句」とは?基本事項を解説します! | 用語辞典

COBOL(コボル)言語の予約語PICTURE句を使った命令文の書き方とは

辞典・辞書-PICTURE-イメージ

COBOL(コボル)言語のPICTURE句とは?

COBOLでは、データ項目を指定するときにPICTURE句を使用してサイズや型など、データ項目をどのように使用するか、レイアウトを指定することになります。

本記事では、COBOLにおけるPICTURE句について基本的な使い方やルール、注意点などをご紹介します。PICTURE句はCOBOLを扱う上で、最も基本的な項目となりますので、使い方をしっかりと覚えておきましょう。

書き方1:

レベル番号 [データ項目名] PICTURE [PICTURE定義] (USEGE、VALUE).

レベル番号 [データ項目名] PIC [PICTURE定義](USEGE、VALUE).

USEGE句、VALUE句は任意で指定します。PICTURE句は記述する際にPICTUREまたは、省略して「PIC」と記述しても構いません。

PICTURE定義での型の指定は、以下の4種類の中から指定します。

  • サイズ:タイプ識別子または、カッコで括ってサイズを数字で指定します。
  • 符号数値形式で指定する場合は9、P、Sを指定します。

  使用例:

  03 WORK-NUM    PIC 9(3).

  項目WORK-NUMを3桁の数値形式で定義します。

  • :英数字形式で指定する場合はA、X、9を、日本語を指定する場合はNを指定します。

  使用例:

  03 WORK-STR-1   PIC X(5).

     03 WORK-STR-2   PIC XXXXX.

  項目WORK-STR-1とWORK-STR-2を5桁の英数字形式で指定しています。X(5)とXXXXXはともに英数字の5桁であることを表しています。

  • 少数点:小数点を指定する場合は、Vの後に小数部の桁数を記述します。

  使用例:

  03 WORK-DECIMAL PIC 9(3)V99.

  項目WORK-DECIMALは左側の3桁の数値形式に続けて小数点(V)を記述し、その右側に小数部の桁数を指定しています。

書き方2:

編集形式のデータ項目を作成する場合は、以下のように記述します。

レベル番号 [データ項目名] PIC [編集形式].

PICTURE定義での編集形式は、以下の2種類を組み合わせて指定します。

  • 数字編集形式:カンマ(,)や小数点(.)、\,-,Zなどの記号を指定します。
  • 英数字編集形式:A、X、9、B、0を指定します。

  使用例:

  03 WORK-ITEM    PIC ZZZ,ZZZ,ZZ9.

  項目WORK-ITEMには、3桁ごとのカンマ区切りの数値をゼロサプレス(有効桁数以上の0をカットする)された編集内容が保存されます。

以下にPICTURE句を使用した、各データ項目を設定する簡単なサンプルを紹介します。

辞典・辞書-PICTURE-サンプル

実行結果:

辞典・辞書-PICTURE-実行結果:

サンプルでは、PICTURE句で数値、小数点、英数値、日本語のデータ項目をそれぞれ指定して、データを転記した結果を出力しています。

PICTURE句のCOBOL(コボル)言語における基本事項やルールについて

  1. データ項目、PICTURE、PICTURE定義の各要素間の改行有無は自由に設定できます。
  2. PICTURE句で指定できる型は英字・数字・英数字・日本語の項目と英数字編集、数字編集、日本語編集の7種類になります。
  3. PICTURE句は省略形であるPICを指定できます。
  4. 集団項目でVALUE句を指定することにより、配下のデータ項目を初期化できます。

COBOL(コボル)言語のPICTURE句を扱う上での注意点

  1. 英字、英数字の項目は標準データ形式で表したときは1つ以上の英字、日本語の場合は1つ以上の日本語文字でなければいけません。
  2. 日本語は1文字が2バイトですので、5文字分設定する場合は、サイズを10(PIC N(10))で指定しなければいけません。

PICTURE句を使ったCOBOL(コボル)プログラムの活用法

データ項目をまとめて指定したい場合は、編集形式のデータ項目をPICTURE句で定義する必要があります。編集形式のデータは、前述したとおりさまざまなパターンを組み合わせて、指定することができます。

以下では英数字型で書式(年/月/日)を指定する方法や、数字型でカンマ(,)区切りで指定する簡単なサンプルを紹介します。

   
  1. IDENTIFICATION DIVISION.
  2. PROGRAM-ID. PICTURE_SAMPLE02.
  3.  
  4. ENVIRONMENT DIVISION.
  5. CONFIGURATION SECTION.
  6. DATA DIVISION.
  7. WORKING-STORAGE SECTION.
  8. 01 WORK-DATE.
  9. 03 WORK-DATE-1 PIC XXXX/XX/XX. *>英数字の編集
  10. 03 WORK-DATE-2 PIC ZZZZ,ZZ,ZZ. *>数値数値の編集
  11.  
  12. PROCEDURE DIVISION.
  13. MAIN SECTION.
  14.  
  15. MOVE "20170501" TO WORK-DATE-1.
  16. MOVE 20170501 TO WORK-DATE-2.
  17.  
  18. DISPLAY "WORK-DATE-1 = "WORK-DATE-1.
  19. DISPLAY "WORK-DATE-2 = "WORK-DATE-2.
  20.  
  21. STOP RUN.

実行結果:

辞典・辞書-PICTURE-実行結果:

サンプルでは、データ項目WORK-DATE-1に英数字編集形式を指定し、WORK-DATE-2に数字編集形式を指定しています。

編集形式を指定すれば、20170501などの連続したデータをセットするだけで、カンマ区切りなどの指定したフォーマットの書式に編集されます。

また、データ項目を指定するときはPICTURE句の指定は必須ですが、VALUE句を指定した場合はデータ項目の初期値を設定することができます。

VALUE句については「COBOL言語の「VALUE句」とは?初期値設定の方法を知ろう|用語辞典」で詳しく解説しています。

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