COBOL 言語のファイルの整列について理解しよう!|基礎ガイド
COBOL(コボル)言語のSORT 文を使ったファイルの整列とは
ファイルの整列(ソート)とは
ファイルの整列とは、ファイルに格納されているデータをある規則に従って、並べ替えることを意味します。
例えば、商品売り上げファイルがあり、「販売日時」、「商品コード」、「商品名」、「販売価格」、「販売店コード」が格納されていると します。商品売り上げファイルは、販売員が商品が売れた順番にデータを入力していく運用になっているとしましょう。この場合、商品 売り上げファイルは、「販売日時」順に並んでいます。このファイルを「商品コード」順に並べると、商品ごとの売り上げを集計するのが 容易になります。
このようにファイル内のデータを並べ替えることを、整列(ソート)といいます。
COBOL言語のSORT文を使ったファイルの整列
COBOL言語では、SORT文を使用することにより、簡単にファイル内のデータを整列(ソート)することができます。
SORT文によるソートでは、整列併合用ファイルというSORT文が一時的に使用するファイルの定義をしなくてはなりません。ソートの処理イメージは、入力ファイルを読み込み、整列併合用ファイルを使用しソートを行い、出力ファイルにソート結果を出力するイメージです。
整列併合用ファイルは、通常のファイルと同様に、ENVIRONMENT DIVISIONのFILE-CONTROLにファイルの属性を定義し、DATA DIVISIONのFILE SECTIONにレコードのレイアウトを定義します。ソートの実行は、PROCEDURE DIVISIONにSORT文を記述し実行します。
整列併合用ファイルの属性の定義
整列併合用ファイルの属性は、ENVIRONMENT DIVISIONのFILE-CONTROLに定義します。このとき、ORGANIZATION句によるファイル編成の指定は行いません。
■書式
SELECT ファイル名 ASSIGN TO データ名
<ファイル名>
プログラムで整列併合用ファイルを使用し、ソート処理を行うときに使用するファイル名を記述します。
<データ名>
整列併合用ファイルを指定します。
整列併合用ファイルのレイアウトの定義
整列併合用ファイルのレイアウトは、DATA DIVISIONのFILE SECTIONに定義します。
■書式
SD ファイル名
レコード記述項
<ファイル名>
ENVIRONMENT DIVISIONのFILE-CONTROLに定義した整列併合用ファイル名を記述します。
<レコード記述項>
整列併合用ファイルのレコードレイアウトを記述します。記述ルールはCOBOL言語のデータ定義のルールに従ってください。
SORT文によるソート処理の実行
ソートの実行は、PROCEDURE DIVISIONにSORT文を記述することにより実行します。
■書式
SORT 整列併合用ファイル名
ソートキー
USING 入力ファイル名
GIVING 出力ファイル名
<整列併合用ファイル名>
ENVIRONMENT DIVISIONのFILE-CONTROLに定義した整列併合用ファイル名を記述します。
<ソートキー>
ソートに使用するキーを記述します。ソートキーは整列併合用ファイルの項目を指定し、複数の項目を指定することができます。昇順にソートする場合は、「ON ASCENDING KEY 項目名」を、降順にソートする場合は、「ON DESCENDING KEY 項目名」を記述します。
<入力ファイル名>
入力ファイル(ソートを行う前のファイル)を記述します。
<出力ファイル名>
出力ファイル(ソート結果を格納するファイル)を記述します。
ファイルの整列処理のプログラム例
ご紹介するサンプルプログラムは、ランダムに並んだ商品ファイルを商品コード順にソートするプログラムです。商品ファイルには、「商品コード」、「商品名」、「販売価格」が格納されています。
- ******************************************************************
- * Author:
- * Date:
- * Purpose:
- * Tectonics: cobc
- ******************************************************************
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROGRAM-ID. SORT_SAMPLE1.
- ENVIRONMENT DIVISION.
- INPUT-OUTPUT SECTION.
- FILE-CONTROL.
- * 商品ファイル (入力ファイル)
- SELECT IN-FILE ASSIGN TO "SHOHIN.txt"
- ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
- * 整列併合用ファイル (中間ファイル)
- SELECT ST-FILE ASSIGN TO "ST01".
- * ソート後商品ファイル (出力ファイル)
- SELECT OUT-FILE ASSIGN TO "SHOHIN-SORT.txt"
- ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
- DATA DIVISION.
- FILE SECTION.
- * 商品ファイル (入力ファイル)
- FD IN-FILE.
- 01 IN-REC.
- 03 IN-SHOHIN-CODE PIC 9(003).
- 03 IN-SHOHIN-MEI PIC X(010).
- 03 IN-SHOHIN-KAKAKU PIC 9(004).
- * 整列併合用ファイル (中間ファイル)
- SD ST-FILE.
- 01 ST-REC.
- 03 ST-SHOHIN-CODE PIC 9(003).
- 03 ST-SHOHIN-MEI PIC X(010).
- 03 ST-SHOHIN-KAKAKU PIC 9(004).
- * ソート後商品ファイル (出力ファイル)
- FD OUT-FILE.
- 01 OUT-REC.
- 03 OUT-SHOHIN-CODE PIC 9(003).
- 03 OUT-SHOHIN-MEI PIC X(010).
- 03 OUT-SHOHIN-KAKAKU PIC 9(004).
- *-------------------------------------------
- * 主手続
- *-------------------------------------------
- PROCEDURE DIVISION.
- MAIN-PROCEDURE.
- DISPLAY "ソート処理を開始します".
- SORT ST-FILE
- ON ASCENDING KEY ST-SHOHIN-CODE
- USING IN-FILE
- GIVING OUT-FILE.
- DISPLAY "ソート処理が終了しました".
- STOP RUN.
- END PROGRAM SORT_SAMPLE1.
■入力ファイル(SHOHIN.txt)
■実行結果(画面)
■実行結果:ソート後のファイル(SHOHIN-SORT.txt)
COBOL言語のファイルの整列の確認問題
問)
COBOL言語のプログラムにおいて、整列処理(ソート処理)を行う場合に定義する中間ファイルは何と呼ばれているか。
答え)
整列併合用ファイル
ファイルの整列(ソート)機能は、ソフトウェアの作成において、しばしば必要になる機能ですが、アルゴリズムを自分で考え、コーディングするのは大変な作業です。COBOL言語では、標準機能としてソート機能が用意されていますので、十分に活用してください。
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