一歩先を行くCOBOL言語の表操作!逐次検索と二分検索 | 応用ガイド
COBOL(コボル)言語のSEARCH文を使った表検索の逐次検索と二分検索とは
逐次検索と二分検索とは
COBOLに入門し、基礎を学んだら次に覚えておきたい機能のひとつです。一般的に表の検索方法には、データの先頭や最後から1件づつ順番に検索していく逐次検索という方法と、検索範囲を2つに分け検索範囲を狭めて行く二分検索という方法があります。
逐次検索
逐次検索は、データの先頭から最後に向かって、またはデータの最後から先頭に向かって、データを順番に1件づつ評価し、検索条件と一致するデータを検索する検索方法です
逐次検索は、データの並び順がシーケンシャルではない場合に有効な検索方法ですが、検索条件と一致するデータが最後にある場合、全データを評価する必要があるため、二分検索に比べると、平均検索速度が劣ります。
二分検索
二分検索は、シーケンシャルに並んでいる検索キー項目で検索範囲を二分し、どちらの範囲内に検索条件と一致するキーがあるかの判定を繰り返していく検索方法です。
二分検索をするには、検索キーとなる項目がシーケンシャルに並んでいる必要がありますが、逐次検索に比べると平均検索速度が2分の1で済みます。
COBOL言語のSEARCH文を使った逐次検索
COBOL言語では、SEARCH文を使用することにより、簡単に逐次検索を行うことができます。
逐次検索の形式:SEARCH~AT END~WHEN~END-SEARCH
SEARCH~AT END~WHEN~END-SEARCHでは、検索表領域内を順次検索し、WHENの検索条件に一致するデータがある場合に、WHENからEND-SEARCHの間に書かれた命令群を実行します。検索表領域内にWHENの検索条件に一致するデータがない場合には、AT ENDからWHENの間に書かれた命令群を実行します。
■書式
SEARCH 検索表領域名
AT END
検索条件に一致するデータがない場合に実行する命令群
WHEN 検索条件
検索条件に一致するデータがある場合に実行する命令群
END-SEARCH.
■プログラム例
ご紹介するサンプルプログラムは、コンソールに商品番号の入力を促すメッセージを表示し、入力された商品番号を商品テーブルから逐次検索し、商品名を表示するプログラムです。該当する商品番号がない場合は、商品コードの再入力を促します。
- ******************************************************************
- * Author:
- * Date:
- * Purpose:
- * Tectonics: cobc
- ******************************************************************
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROGRAM-ID. SEARCH-SAMPLE1.
- DATA DIVISION.
- WORKING-STORAGE SECTION.
- 01 WORKING-AREA.
- *コンソール入力&表示バッファ
- 03 CONSOLE-INPUT PIC 9(01).
- 03 DISP_BUF PIC X(20).
- *商品テーブル
- 01 SHOHIN_TBL_MASTER.
- 03 TBL_SIZE PIC 9(01).
- 03 SHOHIN_TBL OCCURS 0 TO 5
- DEPENDING ON TBL_SIZE
- INDEXED BY TBL_IDX.
- 05 HINBAN PIC 9(01).
- 05 HINMEI PIC X(10).
- *-------------------------------------------
- * 主手続
- *-------------------------------------------
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROCEDURE DIVISION.
- MAIN-PROCEDURE.
- *コンソール入力エリアの初期化
- MOVE ZERO TO CONSOLE-INPUT.
- *商品テーブルの初期化
- SET TBL_SIZE TO 5.
- MOVE 1 TO HINBAN(1).
- MOVE 2 TO HINBAN(2).
- MOVE 3 TO HINBAN(3).
- MOVE 4 TO HINBAN(4).
- MOVE 5 TO HINBAN(5).
- MOVE "みかん" TO HINMEI(1).
- MOVE "りんご" TO HINMEI(2).
- MOVE "バナナ" TO HINMEI(3).
- MOVE "いちご" TO HINMEI(4).
- MOVE "メロン" TO HINMEI(5).
- EXEC-DISPLAY-INPUT-PROC.
- *コンソール表示&入力
- DISPLAY "商品番号を入力してください(1~5)".
- ACCEPT CONSOLE-INPUT FROM CONSOLE.
- *商品テーブルの逐次検索
- SET TBL_IDX TO 1.
- SEARCH SHOHIN_TBL
- AT END
- DISPLAY "1~5の値を入力してください"
- GO TO EXEC-DISPLAY-INPUT-PROC
- WHEN HINBAN(TBL_IDX) = CONSOLE-INPUT
- DISPLAY HINMEI(TBL_IDX)
- END-SEARCH.
- END-PROC.
- STOP RUN.
- END PROGRAM SEARCH-SAMPLE1.
■実行結果
COBOL言語のSEARCH文を使った二分検索
COBOL言語では、SEARCH文にALL句を指定することにより、簡単に二分検索を行うことができます。
二分検索の形式:SEARCH ALL~AT END~WHEN~END-SEARCH
SEARCH ALL~AT END~WHEN~END-SEARCHでは、検索表領域内を二分検索し、WHENの検索条件に一致するデータがある場合に、WHENからEND-SEARCHの間に書かれた命令群を実行します。検索表領域内にWHENの検索条件に一致するデータがない場合には、AT ENDからWHENの間に書かれた命令群を実行します。
■書式
逐次検索との書式の違いは、SEARCHの直後にALL句を記述するだけです。
SEARCH ALL 検索表領域名
AT END
検索条件に一致するデータがない場合に実行する命令群
WHEN 検索条件
検索条件に一致するデータがある場合に実行する命令群
END-SEARCH.
■プログラム例
ご紹介するサンプルプログラムは、「COBOL言語のSEARCH文を使った逐次検索」でご紹介したサンプルプログラムの検索する表の定義にASCENDING KEY句を指定し、SEARCH文にALL句を指定したものです。
実行結果を見ていただくとわかりますが、二分検索でも逐次検索と全く同じ結果を得ることができます。
- ******************************************************************
- * Author:
- * Date:
- * Purpose:
- * Tectonics: cobc
- ******************************************************************
- IDENTIFICATION DIVISION.
- PROGRAM-ID. SEARCH-SAMPLE2.
- DATA DIVISION.
- WORKING-STORAGE SECTION.
- 01 WORKING-AREA.
- *コンソール入力&表示バッファ
- 03 CONSOLE-INPUT PIC 9(01).
- 03 DISP_BUF PIC X(20).
- *商品テーブル
- 01 SHOHIN_TBL_MASTER.
- 03 TBL_SIZE PIC 9(01).
- 03 SHOHIN_TBL OCCURS 0 TO 5
- DEPENDING ON TBL_SIZE
- ASCENDING KEY IS HINBAN
- INDEXED BY TBL_IDX.
- 05 HINBAN PIC 9(01).
- 05 HINMEI PIC X(10).
- *-------------------------------------------
- * 主手続
- *-------------------------------------------
- PROCEDURE DIVISION.
- MAIN-PROCEDURE.
- *コンソール入力エリアの初期化
- MOVE ZERO TO CONSOLE-INPUT.
- *商品テーブルの初期化
- SET TBL_SIZE TO 5.
- MOVE 1 TO HINBAN(1).
- MOVE 2 TO HINBAN(2).
- MOVE 3 TO HINBAN(3).
- MOVE 4 TO HINBAN(4).
- MOVE 5 TO HINBAN(5).
- MOVE "みかん" TO HINMEI(1).
- MOVE "りんご" TO HINMEI(2).
- MOVE "バナナ" TO HINMEI(3).
- MOVE "いちご" TO HINMEI(4).
- MOVE "メロン" TO HINMEI(5).
- EXEC-DISPLAY-INPUT-PROC.
- *コンソール表示&入力
- DISPLAY "商品番号を入力してください(1~5)".
- ACCEPT CONSOLE-INPUT FROM CONSOLE.
- *商品テーブルの逐次検索
- SET TBL_IDX TO 1.
- SEARCH ALL SHOHIN_TBL
- AT END
- DISPLAY "1~5の値を入力してください"
- GO TO EXEC-DISPLAY-INPUT-PROC
- WHEN HINBAN(TBL_IDX) = CONSOLE-INPUT
- DISPLAY HINMEI(TBL_IDX)
- END-SEARCH.
- END-PROC.
- STOP RUN.
- END PROGRAM SEARCH-SAMPLE2.
■実行結果
COBOL言語のSEARCH文の確認問題
問)
COBOL言語のSEARCH文において、二分検索を行うために指定する句は何か。
答え)
ALL句。
COBOL言語において、SEARCH文を使った逐次検索と二分検索では、検索速度が異なっています。ケースバイケースで、逐次検索と二分検索を使い分けましょう。
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