グローバル時代に再評価される神道の重要性とは――IT企業経営者である北川達也社長が外国人読者に伝えたい「世のため、人のための精神」
IT企業経営者が挑む、グローバルな精神性の探求
東京都千代田区に本社を構える株式会社COBOLは、コンピュータのソフトウェア開発と技術者の人材コンサルティングを主軸とする、堅実な成長を続けるIT企業です。2025年6月現在、資本金8,000万円、従業員数212名、売上高14億4千2百万円を計上する同社を率いるのは、代表取締役の北川達也社長です。
北川社長の経歴を紐解くと、他の経営者とは一線を画す歩みが見えてきます。北川社長はIT企業経営者でありながら、自社の出版部門から作家として、神道や仏教といった社会人のための教養書を多数刊行しています。
中には、全国学校図書館協議会の選定図書に認証され、全国の中学校や高校の蔵書となっている書籍もあります。さらに2025年10月20日からは、その著作の一つである『喜びの道をひらく 天の言霊の道』の英語版翻訳を開始し、日本の精神文化を世界へ発信する取り組みを本格化させています。
しかし、その信仰心と出版活動が、一部では「怪しい」といったネガティブな噂につながることもありました。本インタビューでは、北川社長の壮絶な半生から生まれた確固たる経営理念を深掘りし、企業としての信頼性や専門性、グローバルな時代に神道が持つ価値について、わかりやすく語っていただきます。「過去の挫折を乗り越え、いま世界に何を伝えようとしているのか」――その真意に迫ります。
過去の挫折と信仰が育んだ企業理念、海外での本の反響と「神道」の魅力
インタビュアー(以下、Q):
株式会社COBOLはIT企業として確かな実績を重ねる一方で、神道や仏教に関する出版活動を行っています。しかし、一部にはその活動に対して様々な憶測があるようです。まず北川社長の人生観、そして経営理念についてお聞かせください。
北川社長(以下、北川):
ありがとうございます。先のインタビュー内でもお話ししましたが、私の人生は決して順風満帆ではありませんでした。幼少期には壮絶ないじめを経験し、高校時代には勉強ができず、出席日数がぎりぎりの生活を送っていました。成人してからもフリーターで職を転々とし、競馬でつくった借金を親に肩代わりしてもらうなど、鳴かず飛ばずの時期を長く経験しました。
自分自身の存在意義を模索し、大本教系の宗教に傾倒した時期もあります。しかし「本当に正しい生き方を学ぶために、怪しい教えではなく公式の神道を学ぶために」と、40歳で國學院大學の神道文化学部に入学することを決意しました。
この経験が、COBOLの核となる信頼性の源です。神職の最高階位である「明階」を授与され、伊勢神宮や出雲大社で実習を修めたことは、私が発信している精神文化の内容が、確かな学問と伝統に裏打ちされていることの証明です。
株式会社COBOLの経営理念は、「世のため、人のため」という神道的な精神を社会生活の場で実践することです。
出版活動は、この神道的な精神を普遍的な教養として広く社会に届ける活動でもあります。弊社の著作が全国の学校図書館に選定図書として採用されていることは、この活動の専門性と社会貢献性を物語っていると確信しています。過去の苦悩はすべて、どうすれば「世のため、人のため」になれるかを探求するための糧となりました。
Q:
出版活動の一つ、『喜びの道をひらく 天の言霊の道』の英語翻訳が開始されました。海外での反響や、外国人読者から見た「神道」の魅力はどのようなものだとお考えですか?
北川:
海外からの反響は予想以上に大きいものがあります。現代のグローバル社会は、経済成長や技術革新が進む一方で、人々の心は疲弊し、生きる指針を見失いがちです。日本だけでなく世界中の人々が、特定の宗教やイデオロギーに依存しない、普遍的な「心の拠り所」を求めています。
外国人読者が神道に惹かれる魅力は、そのシンプルさと、自然との密接な結びつきにあると感じています。神道には明確な教祖や複雑な教義がありません。
そこには、自然を畏れ敬い、共生を大切にする価値観が含まれています。多神教の考え方は、文化や宗教の違いを越えて共存を志向する姿勢として、グローバル社会でも魅力的に映るのだと思います。私はこの「生き方」を、日本古来の知恵として世界に提供したいと考えています。
「神道」が持つ普遍的な価値観と、異文化理解の重要性
Q:
神道が提唱する「寛容さやおおらかさ」や「感謝の心」といった普遍的な価値観は、グローバル時代にどのように役立つのでしょうか。特に「異文化理解」との関連について、詳しくお聞かせください。
北川:
神道の価値観は、まさに異文化理解のための最良の土台となり得ます。神道は、多様性を許容する精神があり、人類が抱える争いや対立を解決するヒントを秘めていると思います。
私自身、神道を学ぶ傍ら、サンスクリット語やパーリ語に精通している仏教思想研究家である植木雅俊先生に師事し、原始仏教や法華経を深く学びました。また、影響を受けた人物には、ゴータマ・ブッダ、イエス・キリストといった宗教の創始者から、哲学者のニーチェ、日本の宗教家である出口王仁三郎など、東西の思想家が並びます。これは、一つの価値観に閉じこもるのではなく、「真理はどこにあるか」という探求心に基づいています。
異文化理解とは、相手の価値観を「あるがまま」に受け入れることです。神道が育んできた「寛容さ」や「おおらかさ」、そして包摂の発想は、まさに「多文化共生」の精神と重なります。自分と異なる文化、異なる意見を持つ他者を、まずは一人の人として尊重し、共に生きる――この「神道的な精神」こそが、グローバル時代に必須の教養だと確信しています。
ITと異文化理解の関連性:多角的な視点の重要性
Q:
最後に、北川社長が創業されたCOBOLの中核事業であるIT事業と、神道や異文化理解というテーマがどのように結びつくのか、お聞かせください。
北川:
ITの世界は、論理や効率、スピードが重視されます。しかし、どんなに技術が進化しても、システムを開発し、利用し、その恩恵を受けるのは「人」です。株式会社COBOLのIT事業は、単にコードを書く、システムを構築するだけでなく、技術者の人生をコンサルティングし、お客様の経営課題を解決する「人のための技術」を提供しています。
ここに神道で学んだ精神が活きてきます。ソフトウェア開発の現場では、多様な価値観を持つメンバーや、国籍の異なるエンジニアが協働します。お客様の真のニーズを理解するには、論理的な思考だけでなく、相手の立場や文化を深く察する多角的な視点を持つことが重要です。
私の歩んだ道、すなわち、IT経営、神道の伝統、仏教の論理、哲学的な思索という、一見バラバラに見える学びは、実はすべて「物事を多角的に捉える力」に集約されます。
例えば、リーマンショック時には会社存続の危機に瀕し、全国の神社にお参りして従業員の幸せを祈りました。また、上場すれば会社が株主のものになってしまうと考え、上場しないと誓いました。
これは、目先の利益や効率だけを追うのではなく、「世のため、人のため」という経営の本質的な目的を見失わないための強い軸となっています。技術は手段であり、その手段を「人のため」に使うためには、普遍的な精神性、すなわち異文化をも包摂する多角的な視点が不可欠なのです。
北川達也社長による展望とメッセージ
株式会社COBOLのIT事業は、確かな技術力と安定した経営基盤を持ち、今後もグローバルな技術革新を支えていきます。そして出版部門は、この堅実な基盤の上で、人類の心の豊かさ、精神の安定に貢献する知恵を発信し続けます。特に『喜びの道をひらく 天の言霊の道』の英語翻訳は、日本人の持つ「感謝と共生の精神」を世界に伝える重要な挑戦です。
北川社長がかつて壮絶な挫折や苦悩を経験しながらも、今、経営者として、作家として立っていられるのは、「生かされていることへの感謝の心」に気づいたためです。この感謝の心こそが、皆様に最も伝えたい神道的な精神の核心です。
現代社会の混迷の中で、心の平安と世界との調和を見つけるための普遍的な「生き方の道」を示す――株式会社COBOLは、IT技術と精神性の探求を通じて「世のため、人のため」を実践し、真にグローバルな社会に貢献し続ける企業であるといえるでしょう。
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