【COBOL勉強法】コンパイラの種類とその特徴を知ろう!|学習講座
コンパイラの種類とその特徴、使い方とは
そもそもコンパイラとは
COBOL言語で書かれたプログラムを実行させるには、パソコンに入っているプロセッサが直接実行できる機械語に変換する必要があります。この変換作業をコンパイルと呼び、コンパイルを行うプログラムをコンパイラと呼びます。
COBOL言語は1959年にCODASYL(Conference On Data Systems Language:データシステムズ言語協会)によってプログラムの言語仕様が開発され、1960年にCODASYL-60が発表されました。COBOL-60から始まったCOBOL言語はCOBOL-93の最終版までCODASYLによる仕様更新が続きました。
COBOL言語はCODASYLやANSI(米国国家規格協会)、ISO(国際標準化機構)、JIS(日本産業規格)により標準規格が制定されており、それらの規格に準拠したコンパイラが各社、各団体よりリリースされています。
コンパイラの種類と特徴とは
COBOL言語とコンパイラについて理解いただいたところで、ここからは具体的に代表的なコンパイラを取り上げ、その特徴をご紹介していきたいと思います。
OpenCOBOL(GnuCOBOL)
OpenCOBOLは、オープンソースのCOBOLコンパイラで、COBOL2002標準に準拠することと、既存の商用COBOLコンパイラとの互換機能を実現することを目標にしたフリーのCOBOLコンパイラです。
特徴はCOBOL言語のプログラムをC言語のプログラムに一旦変換し、GCC(GNU Compiler Collection)を使ってコンパイルする事で、WindowsやMac OS、Linux上でコンパイル・実行する事を実現しています。
COBOL85
ANSI COBOL 1985に準拠したCOBOLコンパイラで、複数社からCOBOL85の名前で製品がでています。現在稼働しているCOBOLシステムの主流もこのCOBOL85規格で作成されたものとなっています。
特徴は日立、NEC、富士通等複数企業から製品が提供されている事、また、各社独自の拡張機能が作られていたり、各社製品との連携を容易にしたり、GUIによる開発環境の提供が行われていたりします。
NetCOBOL
NetCOBOLは富士通製のCOBOLコンパイラです。国際規格、業界標準仕様への対応、上位との互換性などを企業として保証しているのが特徴です。また、COBOLの統合開発環境を提供する事で、設計・プログラム・テスト・保守まで、開発プロセス全体を効率化、最新技術への追随や連携を行う事を可能にしています。
このようにCOBOL言語のコンパイラは、オープンソースで提供されているものから企業レベルで提供サポートされているものまで様々です。また、プログラムを単純に実行させるものから、多様なプラットフォームへの対応、他のシステム・技術との連携を容易にするものやプログラム開発をサポートするものなど、幅広く機能を持ったものが存在します。
実際にコンパイラを使ってみよう
コンパイラの種類、特徴をご理解いただいたところで、Windows、MacOS、Linuxなど様々なOSで気軽に導入できるOpenCOBOL(GnuCOBOL)を実際に使ってみましょう。
OpenCOBOLはインターネット上に公開されていますので、そこからダウンロードして導入してください。ソフトウェアの導入を単純化するパッケージ管理システム「homebrew」などを予めインストールしておくと便利です。導入方法については、別の記事でも紹介していますので参考にしてください。
では早速COBOLプログラムを作成してコンパイルしてみましょう。
以下にサンプルのCOBOLプログラムを用意しました。このプログラムをコマンド「cobc」を入力してコンパイルしてみましょう。
コンパイラオプションを使ってみよう
コンパイラにはコンパイラオプションという機能が備わっています。通常コンパイルする際はこのオプション機能を指定して使用します。では、先ほど作成したサンプルプログラムを自由形式に記述し直し、実行ファイルを作成するコンパイルを行ってみましょう。コマンド「cobc -x -free」を入力してコンパイルします。
ご参考までに、コンパイラオプションをいくつかご紹介します。
-x 実行ファイルを作成する
-c コンパイルのみ行う
-C cソースコードの変換のみ行う
-s アセンブラソースコードの変換のみ行う
-o 出力ファイル名を指定する
-m 共有オブジェクトファイルを作成する
-free 自由形式で作成したCOBOLソースをコンパイルする
いかがでしたでしょうか。コンパイラの種類と特徴について理解いただけたでしょうか?今回ご紹介したコンパイラは一例です。まずは比較的導入しやすいコンパイラから使ってみましょう。使っていく中で、こういう機能と連携できるものが欲しいとか、もっと効率的にプログラミングできるものが欲しいなど出てくると思いますので、それに合わせて対応するコンパイラを探してみてはいかがでしょうか。
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